◆さて、様々なところで報じられている通り、任天堂の岩田社長がお亡くなりになりました。若い。何せ若い。ここぞとばかりに岩田社長やその関係者の話題がWeb上に溢れておりますので、その中から心に響いたものを備忘録として・・・。
◆糸井重里さんのサイトに掲載されていた記事にあったのですが、岩田社長が任天堂の宮本さんの言葉を紹介しています。
アイディアとは複数の問題を一気に解決するものである
というアイディアの定義。その通りです。言葉にしてもらえることのありがたさ。自分もこういう風にしっかりと言葉にして伝えていけるようになりたいと思いました。
そして岩田社長はどの場面にも通用するように、この定義に解説を付け加えます。
現実になにか商品を作るときには、「ひとつだけ困ったことがある」という恵まれた状態になることなんてまずなくて、あちこちに困ったことがいくつもあるんです。
それは商品だけじゃなくて、組織もそうだし、対人関係もそうだし・・・(中略)・・・割り当てられる人材や時間は有限です。
でも、ときどき、たったひとつのことをすると、あっちもよくなった、こっちもよくなって、さらに予想もしなかった問題まで解決する、というときがあるんですよ。
という普通はこうだ、という状況を説明した上で、
そういう「ひとつのこと」を、宮本さんは「ないか、ないか」っていつも考えてるんです。ものすごくしつこく、延々と。
と続けます。さらに、岩田社長自身の受け止め方と前置いた上で次のようにまとめます。
世の中、あちらを立てればこちらが立たないことだらけです。そういう状態を「トレードオフ」と呼ぶんですが、世の中のあらゆる人たちはトレードオフの問題に直面しているんですね。(略)・・・(「それを解決する「ひとつのこと」をみつけたときは)それがふつうの人が気づいてない切り口であればあるほど、価値が出てくる。
と。
◆仕事をしていて本当に思います。うまくいかないこと、先に進まないことだらけです。結論が見えてゴールが見えて、即断即決できることばかりであればどれほど楽なことか・・・でもすぐには決められない、トレードオフの状態である・・・そんな日が続くと憂鬱にもなります。でも、そこで諦めて放り出してしまってはいけないのだと。諦めず解決に向かう。まずはそういった過程をおろそかにしない我慢強さが必要。そして、頭を使って考えて考えて工夫をして解決にたどり着く努力が必要。言葉で書いて口で言うのは簡単ですが、1つのことに頭を使い続けて・・・なんてそうそうできることではありません。そして、1つのことだけ考えていれば良い、なんていう状況もありませんから。複数の問題が様々なところで起こっているものです。そんな時でも放り出さずに1つ1つ先に進めていく。そんなことができるようになりたい。改めてそう思いました。
◆最後に、子ども時代のあそびと、コンピューターの楽しさを教えてくれたことに感謝しつつ、岩田社長のご冥福をお祈りします。