2025年度 新潟県公立高校入試に向けて

自分の子どものターンが終わると現金なものでこの手の情報の書き込みがぐっと減ってしまっている訳ですが、現中3生の皆さんは2月に入ったここからがラストスパートとなりますね。

先に言いたいことのまとめを書きますが、明確になっているはずの「残り1カ月なにをやるか」をしっかりやり抜く。これにつきます。やらなければならないことは山ほどあるでしょうから・・・勉強をすればするほどやるべきことは増えていきますので、途方に暮れてしまいそうになるかもしれませんが、やるべきことはあるはずですから、難しいことや新しいことを無理やりやる必要はなくて、今までやってきたことの確認と、覚えきれていない部分を1つ1つしっかりと覚えこむことを徹底したほうが良いでしょう。統一模試で常に420とか430点以上とっているなら応用的に全国の入試過去問を解きまくるということもありでしょうが、科目によってばらつきがあるような人=つまりほとんどの受験生は覚えるべきことをしっかりと覚えきれていないはずです。そういった細かいところ=やるべきことを1つ1つ確実に覚えてアウトプットできるようにしておいた方が確実です。

現時点で何をやったらいいかわからない、という人はここまでの勉強が足りていない証拠です。ちゃんと勉強できていれば自分にとって何が得意で何が苦手で、今は何をやらなければならないかが明確になっているはずですから、それをやり切れば良いです。わかっていない人は厳しいかもしれませんがここまでの通る道を誤ってしまったかもしれません。今自分で考える「今できることをやる」しかありません。

泣いても笑ってもあと1カ月です。頑張りましょう!!

 

 

 


 

まず、2025年2月4日(火曜)は明訓高校の試験日となります。新潟高校を受験する生徒のすべり止め、新潟南高校でも中~上位で合格する実力がある生徒も同様、一部長岡高校受験者においても同様でしょうか。今年は新潟第一高校が明訓高校と試験日を別日にしてきました。果たしてこれが一体何を意味しているのか・・・新潟第一の併願(一般)受験生数の変動はあれどおよそ1100~1300ちょっとの中で変動していますから、入試日を明訓と分けるほどの大きな理由になるとは考えにくい。むしろ明訓の方が900~1000人の受験生がいた頃からすると昨年は700人ちょっとと大幅に減らしていますから危機感を持っているかもしれません。理由はわかりませんが、第一の方が試験日を変えてきた。それが今回の私立高校入試になります。明訓と第一の両方を受験して両方を併願の候補として持っておくこともできますね。

  • 新潟第一 試験日1/30 → 発表2/3 → 手続締切3/14 /志願者1464(昨年プラス300以上)
  • 新潟明訓 試験日 2/ 4 → 発表2/7 → 手続締切3/14 /志願者  955(昨年プラス200以上)

ということで、新潟明訓・新潟第一ともに受験生を集めることに成功、今年はかなりの激戦となるでしょう。そのうえ、明訓も第一も入試問題は相応に難しく、6~7割程度の点数で合格(ボーダーはもう少し下でしょう)。後に新潟高校に合格するような学力の生徒でも(最上位の子どもたちは8~9割前後とってくるでしょうが)ボーダー近くで合格という場合もあるほどです。難しい問題に時間を取られて慌てふためくのではなく、できる問題を確実に答えていく(特に数学)力が大切なのではないかと思います。その意味では、学校の定期テストやどこの業者がやっているかわからない実力テストだけでなく、新潟県統一模試を受験して初見の問題に自分がどこまで対応できるかをしっかりと経験して復習などに活用している人の方が強いと思います。繰り返しになりますが、今までの復習、解き直し・覚えなおしを中心に、併願の結果に関わらずやるべきことをしっかりとやりぬきましょう。

とは言え、今週は大雪の注意喚起もなされているほどの寒波がやってくるようなので、親御さんも心配が多いことかと思います。まずはこの私立の併願試験を無事受けて返ってきてくれること。それから結果に一喜一憂せず、最後の最後まで本番の公立高校入試を見据えて頑張りましょう。

 

話題を変えて、続いては公立高校入試です。あと1カ月、今年(2025年3月実施の2025年度入試)は「3月5日(水曜)が試験日」、「13日(木曜)が合格発表日」となります。個人的な注目点としては「数学の傾向がどうなるか」ですね。昨年(2024年3月実施の2024年度入試)は、新潟県(高等学校教育課)が公表した資料の内容を簡単に抜粋してまとめます。
※受験者数は、特色化選抜が214人、一般が12494人、2次が186人なので、公立高校受験者の合計は「12,894人」です。

科目 平均点(2024/2023/2022/2021) 91点以上
人数
81点以上
累計人数
71点以上
累計人数
国語 55.3 (50.4/52.0/56.6/59.9) 0.0% = 0 1.9% = 244.99人 11.9% = 1779.37人
数学 40.6 (39.7/45.4/53.7/45.3) 0.0% = 0 0.2% =  25.79人   3.1% =  425.50人
英語 50.7 (41.1/41.3/53.7/59.5) 0.1% = 12.89人 5.7% = 747.85人   8.2% = 1805.16人
社会 46.6 (50.6/55.2/55.7/55.1) 0.5% = 64.47人 3.0% = 451.29人   8.6% = 1560.17人
理科 44.6 (58.4/55.6/56.2/57.7) 1.0% =128.94人 3.6% = 593.12人   7.1% = 1508.60人

こうなります。ここでは、例年倍率が1.8倍~2.0倍超となる最難関の新潟高校理数科(加えて新潟高校普通科)に特化した話題とします。

  • ◆国語
    • 国語って差がつかない科目です。誰でもそこそこできるけれども究極は満点なんて取れなくて、全然できない人もいませんので0点もいない、みたいな。ですから、新潟高校理数科なら80点台必須、普通科なら70点台でも他の科目でカバーできればOKとなります。
       
  • ◆数学
    • これ。注目。
      90点台が1人もいないのは昨年同様ですが、昨年は80点台が1.8%(約230人分)いたのに対して「80点台すら0.2%(約25人)」という難易度。
    • 平均点は昨年から1ポイント上がっていますが、得点上位者は減っている・・・高得点者が全員新潟高校理数科を受験しているわけではありませんが、新潟高校理数科を受験するような猛者たちであっても80点台の人が20名いるかどうか、定員80人ですから残りのほとんどは70点台という過酷な勝負でした。理数科は数学が傾斜配点で2倍になるのでこれがどう関わってくるかは追って解説します。71点以上の累計人数を見ると理数科は70点を外すべからず、普通科でも70点台勝負(ただし普通科は他の科目でカバーできていれば60点台でも)という結果でしょう。
    • 言い換えると、理数科=文系科目(英語・社会)が苦手で数学で勝負!!みたいな人にとっては、ほとんど全員が70点台勝負ですから得意の数学で差をつけられないという地獄、理数科なのに理数系の科目で勝負できないという辛い状況。つまり、5科目トータルでバランスよく得点できるオールマイティー型である必要が例年以上に求められたことになります。場合によっては英語と社会の得点状況から、理数科であるにもかかわらず英語と社会で点数が取れていれば合格できた可能性が十分にある。
    • 5科目あるうち2番目の試験がこの難易度ですから、ここで心折れずに気持ちを切り替えて英語に向かうことができるかどうかも大切ですね。
       
  • ◆英語
    • 実はこれも注目。
      英語は、以前から得点できる生徒とできない生徒が比較的はっきりと分かれる傾向があり、ここ数年は平均点が低かったのですが一気に10ポイントほど平均が上がる傾向変化。ただし、90点以上は0.1%で全体の12~13人しかいないというこれまた過酷な試験。
    • 理数科受験者で英語90点取れた人は強い。数学で70点台だったとしてもそもそも数学80点台がほぼいませんので、ここで英語90点取れた人は数学のマイナスをほぼカバーできたでしょう。普通科含めても最低でも80点台を目指すテスト。
    • 小学生から英語の学習が始まってしまったことで、英語の得意・不得意が以前よりはっきりしているように見えます。中学校の定期テストレベルの教科書や例文丸暗記で何とかできるレベルであれば大きくは苦手感は出てこないでしょうが、中2くらいから英語の学習が本格化してくると、(文科省の狙いからは外れますが)いわゆる文法ができていないと乗り越えられない壁にぶつかります。公立高校入試においても、そこを乗り越えられていれば80点台、さらに受験までに英検準2級とか2級を取るくらいの高いレベルまでもっていける人は90点台という感じでしょう。
    • こんな書き方を見ると、「小さいうちから英会話をやらなければならないのかしら!?」みたいな感じに思う人もいるかもしれませんが、高校入試レベルであれば中学で塾に入って文法をしっかりと身に付けて行けば間に合います。学校では中1段階で文法を教えてくれませんので、それを中1段階でちゃんとやっておく環境が大切でしょう。
  • ◆社会
    • 実はこれも注目。
      90点台が65人前後=新潟高校理数科の定員に満たない人数です。中に社会だけは強い(歴史マニア・地理マニア)人間がいますから、理数科受験生の中で90点台というのは実はそれほど多くはないのではないかと予想しています。つまり5科目オールマイティー型は言うまでもなく、数学が苦手で文系で英語と社会が得意、いずれも90点とれました、という人はここで逆転というか頭1つ抜け出た感覚でしょう。
    • しつこいですが、数学が得意な人でも70点台で他と差がつかない科目だったので、「数学のみ得意」とか「数学と理科で稼ぐ」みたいな偏った人にとっては苦しいところでしょうね。
    • なんだかんだ言って高校生になると「しっかり覚えることが鬼のように増える」のは周知の事実。数学であっても定義を覚える、解き方を覚えるという部分が圧倒的に増えますからね。「文系はちょっと」みたいな表現を言い訳にして「しっかり覚えることから逃げている人」は高校生になったとたんについていけなくなるのは間違いありませんからね。覚えるべくは覚える。これ大切ですよ。文系とか理系の問題ではないですよ。
    • ということで理数科は90点取れば安泰、悪くても80点台後半、普通科もあわよくば90点台、80点台が標準、70点台だと厳しいかギリギリか、というところ。
       
  • ◆理科
    • 90点台が1.0%と少なく見えますが人数にして130人弱ですから、理数科受験者は絶対90点台が必要です。これはつまり「自分は理数系を標榜」して数学と理科で勝負するような偏った勉強をしていた人にとってはここで不合格確定となる訳です(数学でも差がついていないはずなので)。理数科は理科が傾斜配点で2倍になるので90点台は必須、理科が80点台だった人は数学が70点以上、英語と社会は90点に限りなく近いか90点を超えてくるようにしておかないとカバーは難しかったでしょう。
    • 普通科なら英語か社会で90点台もしくはいずれも80点台中盤~後半をとれていれば理科が80点台でもカバーできたでしょう。
    • 数学は70点台で差がつかない、理科も90点台で差がつかない。一方で英語も80点台で差がつかないし国語はそもそも差がつかない科目。覚えてしまえば何とかなる傾向が強い社会(今の社会はそれだけではダメですが)でもほとんどが80点台と差がつかない。そんな試験だったことがわかります。
       
  • ◆総括
    • 以前、塾屋になりたての頃に先輩から言われたことですが「理数科は数学(と理科)が得意な人が合格できるのではなく、全ての科目がまんべんなくできて、その上で数学と理科が高いレベルでできる人が合格するところだ」というもの。改めてそれを実感させられるのが昨年の入試だったわけです。
    • 450点以上の得点者が0%=1人もいないのが今回の入試、401~450点が1.7%で220人前後いることから、理数科合格には非常に狭い範囲の中で1点2点の僅差での勝負に勝っていく必要がありました。恐ろしい戦い、一歩どころか半歩間違えば理数科には合格できませんでした。
    • 実際はトップは450点台が1人くらいはいたかもしれません。つまり理数科は、440点台が10人ちょいくらい、430点台が3~40人くらい、420点台が残り、一部内申点が高い人は410点台でも合格したかもしれません・・・というところでしょう(いったん傾斜配点は無視した表現です)。
    • 351点以上は累計で1100人程度です。当然距離の関係などで高田高校、長岡高校、六日町・十日町・佐渡・新発田以北などから高学力でも新潟まで通うという選択肢を取らない(取れない)人も相応にいるでしょうし、新潟宇高に合格できる実力を持っているが新潟南を選択する人もいるでしょうから、普通科のボーダーは内申点が高い人の場合は360点台(もしかしたら350点台もいたかも)~多少余裕を持って370点台くらいと見込んでおくと良いのではないでしょうか。
    • 一昔前は新潟高校は普通科でもボーダーが400点という時代もありましたから、その感覚で見ている人は情報の更新が必要ですね。中々に過酷な難易度設定になっています。このように、入試本番で差がつかない試験ですから、合算される内申点が地味に効いてきたはずです。具体的な通知表(内申点)の目標数値は塾で確認してください。敢えてここには具体的な数値は記載しませんが、中1からしっかりと学習を積み重ねて通知表でもオール5に近いところを目指していく必要があります。
       
  • ◆合格のイメージ
    • 理数科なら、国語80、数学70、英語85、社会85、理科90だと合計420(傾斜すると570点)でボーダーでしょう。数学が60点だとしても英語と社会が90点なら同じく合計420点(傾斜して560点)で何とか勝負になるし、国語85、社会90とれていれば完全に数学失点分をカバーできます。
    • 普通科なら、国語80、数学70、英語80、社会80、理科80だと合計390でほぼ合格。数学60だと380でまだまだいけそう、国語が70点台だと370で怪しい雰囲気・・・要は平均75点で375点ならボーダーでこの辺から通知表勝負なのでしょうね。
    • 上記に加えて内申点、通知表もしっかりと稼いでおく必要があると。

 

ということで「残り1カ月なにをやるか」ですが、ここまでくると難しいことをやる必要ななくて、今までやってきたことの確認と、覚えきれていない部分を1つ1つしっかりと覚えこむことを徹底したほうが良いでしょうね。

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