なんだかんだいって大河をリアルタイム視聴することがない私。「面白い!」と感じてしまったら1週間待つのが長すぎるから、というのが見ようとしない一番の理由です。ですから、最近では「どうする家康」なんかは絶対に見るつもりでしたが、結局はオール録画として年が明けてからまとめて一気に見たような感じでした。今はそれが簡単にできますからね・・・それなのに、今回は正月休みを長めにとることができたことで見てしまったのです。第1回目の放送を。録画でしたけれども5日月曜に。そして期待以上に面白かった・・・これは見ないわけにはいかないようになってしまったのです。
さて、どうする家康では、巨大な権力者となった家康という人間が、織田信長、豊臣秀吉という人間の下につきながら想像を絶する苦労を積み重ねたドラマでしたが、その実は弱弱しい人間が経験を積み重ねたことで強くなっていったという非常に引き込まれるストーリーでした。当然、本物の「死」が隣り合わせになっている時代の「苦労、忍耐」というのは今の時代と比べるべくもないものであり、想像を絶するものではありますが、事の大小はさておき「苦労と忍耐」は生きていくうえで絶対に必要なものであり、それをしたからといってその先に成功が必ず待っているものではないという不条理がある点は時代に関係なくあるものですが、それでも「苦労と忍耐」をしなければその先に成功はあり得ないという点も変わらないことだと思います。だからこそ「どうする?」というタイトルも絶妙でありましたし、特に経験を重ねた大人たちには響くストーリーだったのではないかと思います。
それに対して今回はその家康の時代の1つ手間の物語ですね。秀吉という絶大な力を持つに至った人間の弟という絶妙なポイントでありながらここまで日の当たることのなかった人物を良くぞ主人公に持ってきましたね。秀吉のストーリー、そして時代が重なる信長・家康のストーリーを知っている人は多いわけですから、秀長のドラマを見る予習は多くの人間がしっかりとできている状態である、というのも話を進めていく上での大きなメリットになりますね。
私は竹中半兵衛など歴史に名を残すほどの傑物であることは間違いないけれども、主人公ではない立ち位置で自らの人生を歩んだ人間のドラマの方が好みであったりします。そしてそういった立場の人間に脚光が当たるようなストーリーを好む傾向にあります。ですから、今回の主人公を補佐する人間の生きざまはとても興味深いものがありますし、今度はその秀長を補佐する人間たちが出てくることでそういった人間たちに興味を持つことができるのも楽しみですね。
人当たりが良さそうではあるけれども、大言壮語、ほらを吹いてでも目標の実現のために(大きなことをやるにあたって秀長以上の苦労をしていることは間違いありませんが)自由奔放に生きていく秀吉と、その弟でありながら異なる人生観を持った秀長がどのように相まみえていくのか、そのような兄の元でどのように参謀役として時代を生き抜いていったのか、そこにはこれまた想像を絶する苦労と忍耐があったことだろうと思いますが、それがどのように表現されていくのかが楽しみでならない。そう感じさせてくれるような第1話だったと思います。
兄弟に共通した「戦はない方が良い、平和が良い」という信念はありながら、その実現を最優先した行動をとる秀吉はややもすると人としてのリミッターが外れた感もありますが、乱世という時代の中ではそうでもなければやっていけないのも事実だったことでしょう。一方で、兄と同じような信念を持ちながら、より和を重んじようとする秀長は好感が持ているところです。もちろん、秀吉が主人公になれば、信長という人間をより冷徹に描くことで、その対比として秀吉の「戦はない方が良い」という考え方が温かみをもって伝わってきて主人公としての魅力につながっていきますし、家康も同様に信長と秀吉の冷徹な部分をしっかりと描くことで戦のない江戸の世の中を作った魅力を最大限に強調することができるというのは、ドラマ作りの鉄則のようなところがあります。秀長も秀吉のキャラクターが強烈であるからこそ、そのボスである信長も含めて暖かさを描きやすくはなると思いますし、ドラマとしても魅力的になるでしょうから魅力的な主人公になっていくでしょう。では史実で秀長がどうであったかといえばそれは暖かくもあり、冷徹でもあり、信長・秀吉・家康ほどではなかったかもしれませんが、良い部分と悪い部分の両方を持った1人の人間であることに間違いはないと思いますので、それはそれで。何にせよ、味付けしやすい立ち位置の秀長がドラマの中でどのように描かれていくのか、今から楽しみですね。毎週見るという修行を1年間かけてやっていきたいと思います!!
