さて、早速動画を貼り付けました。4K60pで撮影したものを一切加工せずそのままYoutubeにアップしました。音声はYoutubeの音楽ライブラリから適当に選んだものを貼り付けてあります。
ちなみに、たくさんのYoutuberの方が類似のカメラと比較動画をアップされています。手元には「Insta360 Ace Pro (初代)」、「Insta360 Ace Pro 2 (2024モデル)」、「DJI Osmo Action 5 Pro(2024モデル)」と比較すると面白そうなブツが揃っていますが、比較するための機材がないのでそれはプロにお任せします。見た目の比較はできませんが、それぞれ使ったうえでの「Pocket3の感想文」となります。
1.画質比較
- 断然「Osmo Pocket 3」ではないでしょうか。ただし画質のどの部分を優先するか、にもよりますね。例えば、上記サンプル動画のサムネイルになっている塑像ですが、ぱっと見では真っ黒く映っていますね。向こう側からに秋のそれほど高度が上がっていない朝の太陽光が入り込んでおり、いわゆる逆行というやつでここをしっかりと明るく映せと言うのは酷な環境ですが、そういう細かい情報を抜きにすると「なんか真っ黒いなぁ」という印象にしかなりません。よく見ると像の情報は残っているようなので細かく調整をすれば見えてくるのかもしれませんが、一般人はそんな面倒なことしませんからね。撮ってそのままいじらず保存、観賞用として万全なわけではありません。
- しかし、それこそ動画の出だしのところでは逆行をフレームに入れた状態でゴーストもフレアも良く抑えていますし、それこそ画面全体が真っ黒くなってもおかしくないような環境の中で手前の信濃川の水面であったり川岸の草の様子などがしっかりとわかるように映されている。立派ですね。しかもそれらがぼんやりとしておらず、適度にカリッとしていていかにも4Kらしい解像感の高い映像になっていると思います。撮影素子が「1インチ」と大き目なものを使っているのもこの映像に大きく貢献していますね。
- 3:00前後、背景にピントが合っている状態から手前に差しはさんだ看板にピントが写るのも素早い動きですし、その後、さらに背景にピントが戻るのも早い。きびきびした動きです。4:10過ぎに階段を上がって映し出される池の水面、向こう側には逆光に反射する新潟市の「りゅーとぴあ(市民芸術会館)」などもしっかりと描写されています。
- ブレが最小限に抑えられるのも立派ですね。アクションカメラは映像をうまくコントロールして手ブレが目立たないようにしているわけですが、こちらはカメラ部分をこちらの手の動きに応じて調節して揺らすことで手ブレを抑えているのでより自然に見えます。映像に無理もありません。
2.音声比較
- 興味なし。よほど強風でない限りは十分会話を拾ってくれます。
3.使い勝手比較
- 電源を入れるには背面モニターをくるっと回転させるだけ、というわかりやすさ。またその動きのギミックもちょっとカッコよくて好きです。が、強いて言うなら電源ONしてから格納されているカメラ部分が来るっと回って正面を向いて撮影できる状態になるまでほんのわずかな時間・・・1秒前後かと思いますが、その待ち時間がタイミングによってはストレスになる場合もあります。これは慣れるしかないでしょうね。
- また、保護ケースを別途購入しましたが、これが十分ではない印象。液晶モニターがある側だけをガードする構造なので取り扱いは簡単で良いのですが、カメラ部分は360度ガードする構造であっても良かったかもしれません。電源OFFしてカメラが格納されたのちも、カメラ部分がくるくる回って気が付いたら保護ケースをつけていない側をカメラが向いてしまっていて結果レンズ部分がむき出しになっている、ということが頻繁にあるからです。保護ケースは改良の余地あり。
- とは言え、アクションカメラをV-log的に使うには首にかけるとかリュックの方のところにかけるとかする以外はなかなかにハンズフリーにしづらく、結局は自撮り棒のようなものを指して手持ちで撮影することが多いのではないかと思いますが、そうなってくるとアクションカメラには自撮り棒が付くので全長が30cmなど長めになってしまうので、結果的には「Pocket3」の方がコンパクトに収まると思います。手持ちでは・・・です。一方、体なりどこかに何かしらのツールを使って括りつけて使う場合はアクションカムの方がコンパクトで、「Pocket3」はどうやってもコンパクトになりません。あのでかさのものを体に括り付けるのはかなり邪魔です。
4.バッテリー比較
- これはアクションカムみたいに交換型にしてほしかった。公称(1080p60fpsで)166分なので4K60fpsだと実際のところは2時間半とかくらいでしょうか。実際はそこまで使うことはないんですよね。そんなに使わないんですけど、旅行に出かけて1日使い倒す時なんかはちょっと不安かな。モバイルバッテリーを使えば短い充電時間である程度回復しますし、モバイルバッテリーを指したまま=充電したまま撮影もできますからね。それからバッテリースティックみたいなのがあってこれを本体下に差して、より長時間の撮影に対応することもできるのですが、長くなっちゃうのでね・・・交換型にしてほしかったかなあと。
5.まとめると
- 「Osmo Pocket 3」と「アクションカメラ」はやはり比べるべきではないです。似たような立ち位置ですが明確に使う目的が違っていると思います。ですから、予算に余裕がある人は「Pocket 3」+「Ace pro 2 もしくは Osmo Action 5 pro」の2台体制にするべきでしょう。さすがに2台体制は無理だぜ、という場合は手持ち撮影がメインかどうかによると思います。画質は圧倒的に「Pocket 3」なので基本は「Pocket 3」を推します。けれども「ハンズフリーであることが重要」である場合はアクションカム系統になるでしょうね。もう1つの判断基準はバッテリーでしょうか。アクションカムはバッテリー交換ができるので、予備を2~3個持っておけば1日中撮影しつくすことができます。「Pocket 3」はその目的でも対応はできますが、アクションカメラのバッテリー交換の方がイメージしやすいですね。
6.補足
- 被写体が子供で接写:これは小さければ小さいほどアクションカメラの方が良いでしょう。撮影することよりも子供の相手をすることの方が中心になるでしょうから、「Pocket 3」のカメラジンバル部分のギミックがふとした瞬間に何かにぶつかってしまったりとか、子供が手を出してきていじってしまったりして壊れてしまうようなリスクがあると思うからです。アクションカムなら頑丈な分、その心配が減るはず。海に行ったり遊びに行ったりするときに撮影する場合も含めて、このような用途にはアクションカメラが向いているでしょう。
- 被写体が子供で行事を撮影:これは一眼レフカメラか、ズーム倍率高めのデジタルカメラ、もしくは普通のビデオカメラを買ってください。遠くから撮影することが多くなると思うので、ズームよりも広角優先・・・というよりも広角で使うことしか想定されていない「Pocket 3」や「アクションカメラ」はその用途には合致しません。
- 被写体が犬などの動物:これもアクションカメラではないでしょうか。「Pocket 3」の方が高画質なので、家でまったりしているところを比較的近くからアップで撮影する場合は「Pocket 3」の出番もあるでしょうが、さかさまにした理横にしたりしてもある程度柔軟な挙動を示してくれるのはアクションカメラですね。動きが多いもが対象という意味では小さな子供の場合と一緒で、「Pocket 3」の高画質さは気にかかるところですがカメラジンバル部分のギミックがリスクになる感じがします。
ということで、一般的は大人が使うV-log的な使い方・・・散歩や街歩き、旅行の際の風景などをゆったりまったり撮影して取っておくには「Pocket 3」が良いでしょう。子供やペットなど動きがあるものを撮影する場合は「アクションカメラ系」でしょうね。ドライブの際のドライブカメラにも向いていますし「反ゆったりまったり」の要素が1つでもある場合は「アクションカメラ」でしょう。などなど含めていろいろと店頭でもいじってみて選んでみてください。どれか1台持っているといろいろと楽しめて良いと思います。