M1グランプリ

復活しましたね、M1グランプリ。

録画したものを1日遅れでみましたが、これがあると師走、年末が来たな、という感じがしていろんな意味でワクワクします。腹を抱えて笑って年忘れ、毎年続いてほしいものです。

わざわざブログなんていうものをやっているわけですから、わし、口うるさいというか自己アピールが強い方なんだと思います。自分だけでなく、世の中にブログ・Twitter・Facebook・・・と数々の自分自身を発信するツールがこれだけ氾濫していてそれぞれがそれなりに成り立っている様子を見ると、そういう人間というかそういう欲求を持った人間が多いんだろうな、と感じるわけです。

自分自身もやっているのでそういったものをあまり悪くは書きたくないのですが、見方によっては現実世界では自分自身を表現しきれない弱い人間が、「匿名」という蓑をかぶって世の中に自分の存在をアピールするためのツール、という一面があるのだと思っています。存在をアピールするだけなら良いのですが、中には憤懣を発散するためのツールとして使っている人も多いようで、そうなってくると負のツールとなってしまうのがもったいないところではありますが、そういった正負織り交ぜて、それだけの多様さが顕現しているのが今の世の中であり、その中でうまくやっていくことが求められているのも今の世の中なのであろうと思っています。

 

閑話休題。M1グランプリ。

私は「ハライチ」の「のりボケ」というか、澤部くんのキャラが好きなのですね。なので応援していました。しかし、残念ながらなんとなく必要以上にダークな感じを織り交ぜてしまったせいか、笑いがとぎれとぎれになってしまいましたねぇ。以前のような単調な感じではなくなったのでとても成長していて、練りこまれているネタだとは思ったので、もっと万人が楽しめる方向に持って行ってくれるとうれしいなと。

以前から面白いとは思っていたトレンディエンジェル、敗者復活に回ったのは意外でしたが、勢いといつものはげネタは鉄板ですね。間違いなく面白かったです。けれども一方で、これが以前のM1の審査員たちだったら評価されたのかな?という気持ちもありました。漫才というよりも、コントを漫才形式でやっているような感じはありましたよね。以前の、お堅い審査員の方たちならそういう評価をされた可能性もあるな、と。それくらい、トレンディエンジェル以外の人たちは漫才に徹していた印象があります。素人なんでそのあたりの線引きは詳しくはわかりませんが、そんな感じがしました。

 

結果、Yahooのアンケートなど見ていると、世の中の人の多くはトレンディエンジェルが一番面白かった、という評価だったようなので、そういう意味では違和感が少ないM1グランプリだったのでしょうね。もしかしたら、今回の審査員の人たちは、漫才の技術論とか専門家としての意見がありながらも世論というか、一般の人たちが面白いと感じるかどうかを尊重していたのではないかな、とそんな感じがしました。会場が受けていたかどうか、という言葉がちらほら聞かれましたからね。もちろんそれが是か非かという話もあるでしょう。漫才という文化の中でNo.1を決めるわけだから、そういった技術的な部分も含めて評価するべきだ、というのが復活する前のM1だった気がします。だから世論とはずれている感じがした。M1で優勝した人たちが必ずしもブレイクしなかったのはそのせいかなと。

でも、文化という崇高な志だけではおまんまは食っていけないわけです。うけてなんぼ、呼んでもらって仕事をもらってなんぼ、という側面があるわけです。つまり、笑わしてなんぼ。自分たちの世界観=個性の上に成り立つものだとは思いますが、その世界観にこだわりすぎると、目の前にいるお客さんを無視する結果になりかねません。それでは・・・ですよね。「お笑い」ですから。笑いがとれなければ、いくら「俺たちが一番面白い」と言ったところで・・・です。

ネット上で私のように様々な論評を展開している人はたくさんいますが、自分の評価と結果が違っていたことで「M1の価値はない」とか「もう終わりでよい」というような結論に持って行っている人がいますね。それはよろしくないですね。自分の意見のみが正義で、という発想・感覚は、まさに現実世界で自分自身を表現しきれない典型だからです。

それらも含めて考えると、様々な意見はあるとは思いますが、今回の結果は評価すべき、妥当な結果であったのではないかと思っています。そういうようにまずは結果を受け入れて、そのうえで私はこうだったという論評にしたいですね。あ・・・そうか、わしはもともと、お笑いというのは文化の1つであって、ということはそこには文化を作り上げて継承していくための技術論もあるとは思うけれども、それよりもまずは万人が面白いと思うかどうかが大切だ、という立場なので、今回の結果がそれに近い結果だから納得しているだけかもしれませんね・・・でも、やっぱり論評は結果を受けて次に向けるものにするべきです。改善の提案、こうすればよいのではないか、というものをなしに批判だけを展開して勝手に結論付けるのは良くありません。残念ながら、そういう人たちの多くはその自分の論評を批判されたり否定されたりするとダメなタイプの人たちです・・・きっと・・・そういうことができている人はわざわざこんなところで論評を展開しなくとも、現実の世界で論評できる場が与えられているでしょうし、そこで十分満足感を得られているはずですから・・・わざわざ空いた時間にこんなところでそんなことをするという無駄な労力を費やしたりしないでしょうから・・・。

 

ということで、目の前にある現実・結果をしっかりと受け入れる。受け入れたくない結果が見える可能性があるのであれば、自分の手の届く範囲で&正しいやり方で&自らの意見の正しさを証明することでそこに至らないように=正しい結果に落ち着くように努力する人になる。それができなくて、現実世界での居場所がなくて、ネットの上でできないことを隠れてこそこそやる・・・そんな風にはならないように、そうやって一時しのぎの憂さ晴らしをすることで現実世界での自分に嘘をつき続けるような人間にはならない。頑張ろう。

 

結論:M1、楽しかった!