「2011年、メディア再編」

オススメ度:●○○○○(1?2点)

◆図らずも「メディア」の今後の流れをある程度、理解しておかなければならなくなったので、アナログ放停止に関連する流れを抑えておこうと思って読んでみました。◆ライブドアによるニッポン放送株取得なんていうことが起こりました。当時は「何だかすごそうなことが起こってるな?」くらいの認識しかなく、放送とネットが融合することによるメリットなんて考えたこともありませんでした。正直言うと、「メリットなんてないだろ」っていうのが正直な感想です。◆今度は楽天によるTBS株取得が話題を振りまいていますが、相変わらずそのメリットがわかりません。だって、一般人にとってテレビでネットが見れるようになって良いことなんてありますか?◆まぁPCでテレビが見れるメリットはわからないでもないです。移動先で、移動中にワンセグでも何でもちょっと見たいテレビが見れるっていうのは大きいと思います。まぁ社会人になってそこまでしてテレビを見たがる人って少ないと思いますけどね。DVDレコーダーあれば十分でしょう。わしはビデオすらほとんど使いません。
さて、あなたにとってテレビとは?メディアとは?ネットとは?



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◆閑話休題。で、この本ですが結局、ネットと放送の融合についての明確なメリットについては書かれていないんですよね。IPTVでお茶を濁されている感じ。これからのネットと放送の技術革新による「融合」やら「併合」やら…っていうのはどうなるかわからないんでしょうね。◆技術革新の方向が見えていないのと、世の中を一気に変えてしまうほどのコンテンツが誰の目にも見えていないんでしょうか。この本も同じことが繰り返し繰り返し書かれているだけで、そこそこPCや携帯の機能に詳しい人にとっては真新しいことはほとんど書かれていません。期待はずれ。
◆新しいビジネスっていう観点では、PCでネット経由の映像を見る人の割合、アメリカでは結構多いらしいですが日本ではまだ少なく、最近ではYouTubeが流行っていますがあれば無料だからです。有料となると実際に利用しているユーザー数はぐっと減ります。◆例えば「スカパー」のユーザー数ってどれくらいなんでしょ。そんなに普及してませんよね。それが日本での有料映像配信の限界だと思います。◆日本では2011年に向けて動画配信市場が400億円市場にまで成長するようですが、日本の先を行くアメリカでは「07年がビジネスとして成長のピーク」だそうで、「今後は広告付きの無料配信が中心に」なっていくとの予測さえあります。◆日本ではそもそも映像は長い間、無料のものなんです。最近ではDVDでの販売も見られますが、それはコレクターの範疇のものでしょうし、レンタルに関しても数ヵ月後にふと思い出したり昔の懐かしい映像を見たりっていう程度のことで、ごくごく一般の人が映像にお金を払うということは少ないのが日本の文化なのだと思います。◆小中高生や若い社会人にとってはテレビの話題が会話の共通点として欠かせないものであったりするでしょう。けれどもそれはチャンネル数が限られており、かつ無料であって誰でも見ることが出来るものだからでしょう。◆有料で、でもチャンネル数が100もある…そんな状態から「明日の共通の話題」が生まれてくるはずはありません。つまり、流行を作りやすい小中高生がそんなところに飛びつくわけがないと思うんです。◆となると、流行や周りにとらわれずに自らの価値観を持って行動できる、お金を持った社会人がビジネスの対象となるのでしょう。ではそんな社会人たちはどんな映像に興味を持つか…ネット上でなければならないもの、と言うような限定が付いたりプレミアをつけるのは1つの手かな…そこを解き明かすことが出来れば400億円産業の中に食い込んでいけるのかもしれません…が、そうなってくると、それはわしの仕事とは縁遠い世界の話になってしまいますなぁ…。◆まぁ残念ながらわしが思いつくようなことは世の中の人がもう思いついているようなので、自分の会社の立場でもっともっと考え込んでいく必要があるみたいです。

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